職場で労働問題を抱えている方はまずご相談ください。
社会保険労務士による労災保険等のサポートも可能です。
職を失い、又は仕事をしながら労働問題に取り組むのは、大変ストレスのかかることです。
当法律事務所では、ご依頼者が再び安心して働けるように、迅速な解決を第一に考えます。会社との交渉、労働局の紛争調整委員会や労働相談情報センターなどの行政機関への相談、労働審判・訴訟の代理人、保全処分の申立てなど、依頼者のニーズに合わせて各種手続を行います。
使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前にその予告をしなければならず、予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません(解雇予告手当 労働基準法20条1項)。また、1日分の平均賃金を支払った日数だけ、予告日数を短縮することができます(同条2項)。
また、解雇予告手当は、解雇の効力が発生する日に支払わなければなりません(即時解雇をする場合は、解雇の意思表示をした日)。解雇予告手当を支払うことなく行われた即時解雇の申渡しについて、解雇予告手当が支払われるまで、又は、30日が経過するまで解雇の効力が生じません。
なお、平均賃金とは、算定しなければならない事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいいます(労働基準法12条1項本文・4項)。ただし、臨時に支払われた賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)は平均賃金の計算には含まれません。
仮処分を申し立てた後、本訴で最終的な結論が出るまで、一般的には、1年~2年位かかるといわれています(第1審まで)。したがって、当事者間に深刻な対立が無く調停成立の見込がある場合などは、スピーディな解決が期待できる労働審判を利用することがよいといえます。
他方で、労働審判は、調停が成立せず、審判がなされた場合でも、当事者から異議が出されれば、本訴に自動的に移行します。それゆえ、当事者間に深刻な対立がある場合(例えば、労働者が復職を求め、使用者がそれに応ずる見込がない場合など)には、労働審判だけでは解決ができず、結局、本訴に移行することになってしまう可能性が高いといえます。このような場合は、最初からいきなり本訴を提起することも考えられます。もっとも、このような場合に労働審判を申し立て、地位確認の審判が認められれば、それが仮処分決定を得るための有力な疎明方法(証拠)となることもあります。また、労働審判を経た後の本訴の進行は、既に当事者からある程度の主張・証拠が出された後なので、比較的迅速に審理が進められるという実情もあります。したがって、当事者間の対立が深刻である場合でも、労働審判を申し立てる実益は場合によってはあるといえます。
具体的事情に応じ、最適な解決手段をご提案させていただきますので、まずは弁護士にご相談ください。
会社が倒産(中小企業においては、事業活動に著しい支障を生じたことにより、労働者に賃金を支払えない状態になったことについて労働基準監督署長の認定があった場合を含みます。)したために、賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、その未払賃金の一定の範囲について、国が、独立行政法人労働者健康福祉機構を通じて、事業主に代わって支払う制度(「未払賃金立替払制度」)があります。
この制度による、立替払を適用されるためには、会社(事業主)が労災保険の適用事業の事業主であって、1年以上の期間にわたって当該事業を行っており、法律上の倒産又は事実上の倒産に該当することとなったこと、そして、労働者としては、倒産について裁判所への破産申立て(事実上の倒産の場合は、労働基準監督署長への認定申請)などが行われた日の6か月前から2年の間に退職していること、未払賃金があること(ただし、未払賃金の総額が2万円未満の場合は立替払を受けられません)が必要とされます。立替払される賃金の額は、未払賃金総額の8割です。ただし、未払賃金総額には、退職日の年齢に応じて限度額が設けられており、未払賃金総額が限度額を超えるときはその限度額の8割となります。
就業規則や労働協約などの定めがない場合でも、慣行、個別合意、従業員代表との合意などにより、退職金の支給金額の算定が可能であれば、退職金の請求が可能です。ただし、訴訟になった場合は、退職金の支給を受けた元同僚の陳述書や退職金の支給計算書などの証拠の収集が必要になります。
企業が従業員の配置の変更を行う場合に、同一の事業所内における変更を「配置転換」、勤務地の変更も伴うことを「転勤」といい、両者をあわせて「配転」といわれています。
判例によれば、採用時に労働者の職種を限定する合意が認められれば、原則として、異職種への配転には労働者の承諾が必要となります。また、配転命令が、退職勧奨拒否に対する嫌がらせとしてなされるなど、不当な動機・目的をもってなされたものである場合は、権利濫用にあたり無効となるとした判例もあります。
育児介護休業法26条は、就業場所の変更を伴う配転を行おうとする場合に、労働者の子の養育や家族の介護の状況に配慮することを使用者に義務づけており、また、これを受けた指針(H16.12.28厚労告460号)には、使用者が配慮すべき事項として、「労働者の子の養育又は家族の介護の状況を把握すること、労働者本人の意向を斟酌すること、配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをした場合の子の養育又は家族の介護の代替手段の有無の確認を行うこと等」を定めています。これにより、重い介護負担のある労働者に対する配転を権利濫用として無効とする裁判例も増えてきています。
客観的に一時的・季節的な仕事であって、主観的にも労使ともに認識して労働契約に期間を定めた場合は、期間が満了すれば、契約は当然に終了します。それゆえ、このような場合は雇止めが問題になりません。 これに対し、客観的に一時的・季節的な仕事ではなく、更新が繰り返されてきたような場合は、解雇に関する法理が類推適用されることがあります。この場合は、通常の解雇の場合と同様に解雇権濫用法理(労働契約法16条)などの規制を受け、雇止めが有効か否かが決められます。
具体的には、(1)有期契約が実質において期間の定めのない契約と異ならない状態で存続する場合や、(2)有期契約の更新に対する合理的な期待がある場合に、解雇に関する法理が類推適用(現在では明文化された労働契約法19条が適用)されると言われています。
そして、(1)(2)の該当性は、A.仕事の客観的内容、B.当事者の主観的態様、C.更新の手続、D.更新手続が形式的であったり、ずさんであるなど契約期間管理の状況、E.雇用継続の期待を持たせる言動や制度の有無、F.労働者の継続雇用に対する期待などを総合考慮して決められます。
労災保険(労働者災害補償保険)は、業務上の事由または通勤による労働者の負傷・疾病・障害・死亡等に関して、労働者やその遺族に対し、必要な保険給付を行う制度です。 労働者の負傷等が業務上の事由によると認定されるためには、(1)業務遂行性(事業主の支配下にあったこと)、(2)業務起因性(事業主の支配下にあったことと負傷等との間に因果関係があること)の双方の要件を満たす必要があります。なお、被災労働者(ないしその遺族)が、労災保険による給付を受けるとともに、使用者から民事上の損害賠償(不法行為や安全配慮義務違反による損害賠償)を受けることができる場合には、被災労働者等は二重に損害のてん補を受けることとなるので調整が行われます(例えば、すでに支払われた労災保険の給付額は、民事損害賠償額から控除され、また、民事損害賠償が先になされた場合は、その限度で保険給付はしないなど。労災保険法64条)。
労災保険給付等の申請手続についてですが、例えば、労働者が労働災害により死亡した場合は、その遺族が遺族補償給付等の請求を労働基準監督署長に対して行うことになります(実務上は、事業主が代行して手続を行うことも少なくありません)。各種労災保険給付の請求書は、労基署に備え置かれています。請求書には事業主証明欄があり、事業主から、(1)負傷または発病の年月日及び時刻、(2)災害の原因及び発生状況等の証明を受けなければなりません。事業主が証明を拒んだ場合は、事業主から労災の証明をしてもらえなかった事情等を記載した上申書を添えて提出します。
脳出血、心筋梗塞などの脳・心臓疾患は、動脈硬化などの基礎疾患が加齢や日常生活の様々な要因と影響し合って悪化し発症するものですが、とくに、長期間の業務上の疲労の蓄積による脳・心臓疾患死(いわゆる過労死)は、業務上の有害因子が特定できない疾病(または死亡)であるため、労災保険が適用されるためには、「業務に起因することが明らかな疾病」(労基法施行規則35条別表1の2第9号)に該当する必要があるとされています。
厚労省は、過労死の認定基準につき、A.発症直前から前日までの間に異常な出来事に遭遇したこと、B.発症前1週間にとくに過重な業務に就労したことに加え、C.発症前の長期間(6か月)にわたり、著しい疲労の蓄積をもたらすとくに過重な業務に就労したことも、脳・心臓疾患の発症に影響を及ぼす業務による明らかな「過重負荷」として、業務起因性を認める基準に挙げています。また、この「過重負荷」については、労働時間、不規則勤務、拘束時間の長短、出張の多寡、交替制勤務、深夜勤務、作業環境(温度・騒音・時差)、精神的緊張から判断され、とくに労働時間については、「発症前1~6か月にわたって、1か月当たり45時間未満の時間外労働である場合は、業務と発症との関連性が弱く、発症前1か月間に100時間または発症前2~6か月間にわたって、1か月当たり80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強い」という具体的な基準を示しています。
また、厚労省は、いわゆる過労自殺について、「精神障害によって、正常な認識、行為選択能力が著しく阻害され、または自殺を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態」に陥ってなされたものと推定し、原則として、労災保険法12条の2の2第1項の「故意」はなく、(1)発症前6か月間に業務による強い心理的負荷が認められること、(2)業務以外の心理的負荷及び個人的な要因(既往歴、生活傾向など)により精神障害を発症したとは認められないことが認められる場合は、業務起因性が認められる、という判断指針を示しています。
代表的なものとして、(1)(労働契約上の)地位保全の仮処分、(2)賃金仮払の仮処分、(3)配転命令効力停止仮処分、(4)退職強要差止め仮処分、などがあります。
(労働契約上の)地位保全の仮処分とは、復職を仮に認めるというものです。裁判所によっては、解雇無効が疎明されても、特別の事情がない限り、労働契約上の地位保全の仮処分については保全の必要性がないとして、認めてくれない場合があります。次に、賃金仮払の仮処分とは、判決が確定するまでの間(実際には、概ね1年間とされることが多いようです)、給料を確保するための制度です。裁判所から賃金仮処分の決定が出されたにもかかわらず、債務者(会社)が支払をしない場合は、債権者(労働者)は、保全執行を申し立て、強制的に支払を受けることが可能です。なお、労働者が資産を保有している、近親者の収入で生活をしている、正社員として再就職した、といった場合は、会社は仮払を免れる可能性があります。
男女雇用機会均等法11条に基づく指針(H18.10.11厚労告615号)では、職場におけるセクハラの内容を、「対価型」と「環境型」とに分類しています。「対価型」とは、性的関係の強要、執拗な交際の誘い、身体への不必要な接触、宴会でのお酌の強要などを拒否したために、当該労働者が解雇、配転や労働条件につき不利益を受けることをいい、「環境型」とは、職場における性的な言動(卑猥な冗談を交わす、人目につくところにヌードポスターを掲示するなど)により労働者の就業環境が害されることをいいます。なお、ここでいう「職場」には、取引先と打合せをするための飲食店、顧客の自宅等のほか、会社の懇親会や二次会、職務の延長としての宴会なども含まれ、また、「労働者」の範囲には、派遣労働者、パート社員も含まれます。
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